社労士木村

皆さんが一番興味あるのって、やはり税務調査ではないでしょうか?
せっかく頑張って利益を出しても、経費を否認されて追徴課税となったらたまらないですよね。
そんなところを掘り下げる対談です。

せっかくなので自己紹介

社労士木村

まずは自己紹介からしていただきましょうか。

税理士加藤

税理士の加藤です。
税理士になる前は国税局に勤めていました。
税務調査もやりましたし、税務署の審理担当もしていましたね。

社労士木村

審理担当?

税理士加藤

審理担当というのはとても重要な役割なんです。
税務においては法解釈が担当者によって違いがあってはいけません。
それを税務署内で統一するための担当官ですね。

社労士木村

まあ、統一的な解釈はもちろん大事ですが、
でも、実際のところ人がやることですから違いが出てしまうのではないですか?

税理士加藤

もちろん違いを無くすことは不可能です。
でも、大きな解釈のところが違っては、不公平なものとなってしまいます。
ですから、審理担当が統一的な見解を出すわけで、
これは税務署長と言えども勝手に変えることができないんですよ。

社労士木村

じゃあ、税務署においては「オレが基準だ!」ってわけですね?(笑)

税理士加藤

そんな言い方はしませんけど、でもそれくらい強力であるのは確かです(笑)

税理士になるには?

社労士木村

そういえば、税理士になるには国税OBか税理士試験を通るかですよね。
国税OBの人ってみんな税理士になれるんですか?

税理士加藤

いや、実はみんながなれるわけじゃないんですよ。

社労士木村

あ、そうなんですか?

税理士加藤

学歴で扱いが違いますけどね。
必要な単位を取ってようが取っていまいが1年限定です。
このとき、必要な単位を取っていないとOBでも税理士にはなれません。

社労士木村

まあ、税理士試験は難関資格試験ですからね。
国税OBというだけで無条件になれるほど甘くないですよね。

税理士加藤

私は税務大学校で教育官もやっていましたからね。
今も教え子たちが税務署で頑張っていますよ。

社労士木村

教え子さんが税務調査に行ってみたら、
元教育官が相手だったら退いちゃいますよね(笑)

税理士加藤

もちろん仕事ですから、手心加ええるなんてないですけどね。
でも、手の内は判りますよ。教えたのが私ですからね(笑)

税務調査で気を付けることは?

社労士木村

税務調査が来るって聞くと、どうしてもビビっちゃいますよね。

税理士加藤

そんな頻繁に来るものではないですからね。
経営者が税務調査に慣れてるなんてことはあるわけないですよね。

社労士木村

だからこそ税理士が必要なわけですね。
企業を守る立場として。

税理士加藤

そうですね。
でも、税務調査官も強者がいますからね。
私が鍛えた教え子とかね(笑)

社労士木村

それは敵に回したくない(笑)

税理士加藤

彼らも怪しいと思うところは突っ込んできますからね。
それに対して、どのように対応していくかが重要です。

社労士木村

まあ、税も法律に基づきますから、当然法解釈が重要ですよね。

税理士加藤

そうですね。
キチンとした法解釈の知識と理解があるかは、簡単なようで実は難しい。

社労士木村

それは確かに。
社労士だって労働法規や社会保険関連法規の解釈が基本です。
でも、社労士は感情を持つ「人」の専門家ですから、条文だけでは済まないんですよ。

税理士加藤

まさに税務調査もそこなんです。
税務調査官と言えども人ですから、人対人のやりとりです。
法解釈から心理戦まで幅広いですよ。

社労士木村

だとすると、税務調査の裏の裏まで知り尽くす加藤さんは無敵じゃないですか(笑)

税理士加藤

裏の裏までは言い過ぎです(笑)
でも、長年携わってきましたから、
経験は豊富と言っていいんじゃないですかね。

社労士木村

それは会社にとってはとても頼りがいのあることですよ。